土木分野 支持力式

さまざまな条件下での設計を可能にします。

設計の基本事項

支持層 砂、砂礫地盤であり、N値が15以上である地盤
(但し、道路橋本体構造に用いる場合はN値30以上である地盤)
粘性土であり、N値が20以上である地盤
杭径(Dp) 114.3mm~406.4mm
羽根外径(Dw) 杭径の2.0倍と2.5倍
(但し、道路橋本体構造に用いる場合は2.0倍径を用いるものとする)
杭長・施工深度等の制限 杭径(Dp)の130倍程度以下
支持層への根入れ長 原則として杭径(1.0Dp)以上
杭の最小中心間隔 杭径+羽根外径
斜杭 10°程度以下

材料

鋼管材料 降伏点または耐力 常時許容応力度(N/mm2) ※道路橋示方書準拠の場合
規格記号 曲げ・圧縮 引張 せん断
STK400 235N/mm2 140 140 80
STK490 315N/mm2 185 185 105
SKK400※1 235N/mm2 140 140 80
SKK490※1 315N/mm2 185 185 105
  1. ※1:SKK400及びSKK490については日本製鉄にお問い合わせ下さい。

(1)極限押込み支持力

Ru:
地盤から決まる杭の極限押込み支持力(kN)
qd:
杭先端における単位面積あたりの極限支持力度
(kN/m2)で110N(2倍径:砂、砂礫)105N(2.5倍径:砂、砂礫)
4.5qu(粘性土)とする
N:
杭先端地盤におけるN値(15≦N≦50)
(ただし、道路橋本体構造に用いる場合は30≦N≦50 とする)
qu:
杭先端地盤の一軸圧縮強さ(kN/m2
Aw:
羽根面積(m2
Dw:
羽根外径(m)
U:
杭の周長(m)
Li:
周面摩擦力を考慮する表層からi番目の層の層厚(m)
fi:
周面摩擦力を考慮する表層からi番目の層の最大周面摩擦力度(kN/m2
粘質土:2N ≤ 100
粘性土:または5N ≤ 80 2

(2)極限引抜き抵抗力

【支持層が砂、砂礫の場合】

【支持層が粘性土の場合】

Pu:
地盤から決まる杭の極限引抜き抵抗力(kN)
Dw:
羽根外径(m)
γi:
支持層より上で表層からi番目の層の土の有効単位体積重量(kN/m3
Li:
支持層より上で表層からi番目の層の層厚(m)
γ:
支持層の土の有効単位体積重量(kN/m3
c:
支持層地盤の粘着力(kN/m2)=
H:
羽根上方の局所せん断破壊の拡がる高さで支持層への根入れ長(m)ただし
H ≤ 2.5Dw
※杭基礎設計便覧には「支持層への根入れ量が1.5Dp以下の場合には、引抜き抵抗力の郡杭効果を考慮しなくてもよい」との記載がある
β:
引抜き係数
※せん断破壊場面の抵抗係数を表し、支持層の内部摩擦角に応じた値を適用する(右表)
φ:
支持層の内部摩擦角(°)
U:
杭の周長(m)
fi:
周面摩擦力を考慮する表層からi番目の層の最大周面摩擦力度(kN/m2
内部摩擦角φ 引き抜き係数β
30° 1.48
31° 1.61
32° 1.75
33° 1.89
34° 2.02
35° 2.16
36° 2.4
37° 2.65
38° 2.89
39° 3.14
40° 3.37
41° 3.77
42° 4.16
43° 4.55
44° 4.93
45° 5.3

 

(3)水平支持力

kH:
水平方向地盤反力係数(kN/m3
kHO:
kHO=(1/0.3)・α・EO(kN/m3
α:
地盤反力係数の推定に用いる係数
EO:
設計の対象とする位置での地盤の変形係数(kN/m3
Dp:
杭径(m)
β:
EI:
杭の曲げ剛性(kN・m2

▼杭の軸方向バネ定数

Kv:
杭の軸方向バネ定数(kN/m)
App:
杭の断面面積(m2)*腐食しろを除いた面積
Ep:
杭のヤング係数(kN/m2
L:
杭長(m)
a:
a=0.010(L/Dp)+0.36:(2倍径)
a=0.0055(L/Dp):(2.5倍径)
Dp:
杭径(m)

※上記の設計式は、(財)国土技術研究センター殿によりご評価いただいたものです。
杭基礎設計便覧(財)日本道路協会に準拠する場合は別途ご相談ください。